稜線の彼方へ(初回限定盤)(DVD付)

稜線の彼方へ(初回限定盤)(DVD付)タテタカコ その他
村松晃 その他

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溢れ出る才能

タテタカコの曲には、無駄がない。タテタカコの歌には、飾りがない。
タテタカコの詩には、衒いがない。そこには意味だけがつまっている。
だから、彼女の歌は「真っ直ぐ」なのに、それだからこそ屈折している。
ノン・ビブラートの透き通る声は、聴く人の心に鋭角に切り込んでくる。
静かで淡々としていながら、どの曲もBGMにはなれないくらい明確な
意思を持っている。これは搾り出したのではなく溢れ出た音楽だと思う。
もう歌が上手いとか下手とかそういった次元にない。いや、うまいけど。
本作の最後に収められた「しあわせのうた」は、吉祥寺スターパインズ
カフェでのライブ音源で、当日、幸運にも生で演奏を聴く機会に恵まれ
た私は、CDでイントロを一聴した瞬間にあの日の演奏だと気がついた。
演奏終了後の拍手が始まる迄の一瞬の静寂からは、会場の張り詰めた
空気感がよく伝わってくる(少なくとも自分は緊張し、感動していた!)。
聴衆に対して、これだけの緊張感を与えられる音楽はそうは無いんじゃ
ないでしょうか。おそらく、大ヒットはしない音楽だけど(失礼)、今一番、
今後の活動が楽しみなソロ・アーティストです。
『そら』、『裏界線』に続き、捨て曲一切無し。掛け値なしの名盤!

凛とした音楽

声質はやわらかいです。
矢野絢子ほどたくましくはなく、湯川潮音よりは地に足が着いている。そんな印象を受けました。
そんな彼女の紡ぎだす歌は、やさしいだけではない。
ピアノの音と、声の作り出す世界は、本当に独特です。
中でも「霧」の世界には驚きました。

無防備な真剣さ

タテタカコを聴いたのはこのCDが初めて。ピアノだけのシンプルな伴奏に言葉を一言一言投げ掛けるように唄う。きれい事だけではなく、心の闇の深淵からわき出るようなその言葉が聴く者の体に突き刺さる。
このCDを聴いて4日後に彼女のライブを見に行った。それはもう全身全霊としか言い様のない歌声だった。試合開始早々からキーパーが攻撃に参加しているみたいな。
CDだとそこまでの臨場感は味わえないが、聴いている側も、普段身にまとっている心の鎧を脱ぎ捨ててナイフの様に研ぎ澄まされた彼女の言葉を全身で受けなければならない、そんな真剣さが求められているような気分になる、そんなCDです。

DVDもいい

「そら」「裏界線」につづく、歌とピアノからなるシンプルな世界観の集大成ともいえるアルバム。
どの歌も初めて聴いたような気がしない、不思議な懐かしさのあるメロディーに、素朴で綺麗な高音がよく合っています。
歌われる詞も、身近なようで、とても深い。
これまでの世界観を裏切らない作品に仕上がっていると思います。

付属DVDには、「そら」から「宝石」、「裏界線」から「秘密の物語」、そしてこの「稜線の彼方へ」からは「春風」のビデオクリップが収められています。
どれも監督さんが異なっていて、それぞれ違った味わいのある作品でした。
本当に、そのへんにありそうな小さな風景ばかりが映されているのですが、はっとするほど新鮮にうつります。
「宝石」には、映画「誰も知らない」の画像も使用されていて、歌の世界とかみ合っているのが切なくなります。

シンプルかつ深く

映画「誰も知らない」の挿入歌「宝石」で有名な(有名じゃないかな?)タテさんのメジャー3作目です。
今作も相変わらずピアノと歌だけで勝負してますが、コーラスを大々的に取り入れたり、力強い和音で攻めたりと、前2作に比べると曲調もけっこう冒険しているというか、変化が感じられます。詞もかなりシンプルになった分、ちょっと難解さが増しているかな、と感じました。
すでに彼女の歌世界に魅了されている人にとっては歓迎すべきことでしょうし、私もとても気に入りましたが、これから初めてタテさんの音楽に触れようとしている人には2ndアルバムの「裏境線」のほうがオススメかな?と思います。

初回限定盤に付属するDVDには1stから「宝石」、2ndの「秘密の物語」、そして今作の「春風」のミュージッククリップが収録されているので、それ目当てに購入しても損はしないでしょう。

リンク

裏界線
そら
イキモノタチ
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2005年の邦楽アルバムBEST(編集中)
すきなもの
おすすめ!ギター、鍛冶屋、保育